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2009.03.09
ピュタゴラス教
謎に包まれたピュタゴラス教とは、どのようなものだったのでしょうか?
その影響は、秘教のなかにいまだに息づいています。
宗教の霊的な源泉は一つなのです。
ピュタゴラス自身、「オルフェウス密儀」への秘儀を伝授されていたとも推測できる。
彼のエジプトや小アジア、いや、遠くインドにまでいたる伝説的な旅、
とくに天文学や幾何学にかんする知識は、
彼の教えに、オルフェウスにはおそらく欠けていたと思われる哲学的・教義的な性格を与えた。
やがてピュタゴラスの弟子たちはこうした教義や哲学を強化し、広めていった。
ピュタゴラス派によれば、彼らの学問の実践のみが、
霊魂を真理の道へと導くことができるという。
そして、この知が霊能者の天体にかんする神秘主義を特徴づける忘我を招くともいう。
ピュタゴラス派の研究に近づこうとするなら、
はっきりと打ち立てられた道徳的な教えに沿って生きることを理解するにかぎる。
「以下のものを克服することに慣れよ。
まず汝の胃、ついで眠り、性的本能、そして怒りである。」
しかるベき道徳的生活の教えを実践しつつ、
ピュタゴラス派のメンバーは、やがて知るようになる。
「自分が不死の神々と死すべき人間たちとを結ぶ絆であり、
自然ないし本性が、霊魂のなかにある聖なるものを、
目覚めさせうる者たちに一切を明かしてくれる。」ということを。
周知のように、まずピュタゴラス主義、
ついで新ピュタゴラス主義は、
後続のグノーシス主義の考えに重大な影響を与えている。
この影響はイスラム教にまでおよび、
こうしてそこには秘教学の伝統が深く刻まれるようになった。
さらに、数世紀たったあとでも、ケプラーやコペルニクス、
そして近代のさまざまな天文学者たちの発見にもかかわらず、
ピュタゴラス主義はなおも存続し、フリーメイソンの伝統と内密に結びついた。
ピュタゴラス派の学問や天文学による天体の神聖な性質の論証、
哲学的・形而上学的ないくつかの結論は永遠なものでありつづけるだろう。
いっぽう、転落や霊魂の神的な起源と物質は、
秘教的伝統の太古の遺産に属している。
同じことは救いの教義や霊魂の天界への帰還についてもいえる。
永遠の黄道十二宮では、霊魂に内在する神が、
霊魂と同じように、巨蟹宮の門、すなわち「人間たち」の門を通って姿を現わす。
だが、この神はまさに「神々」の門である磨羯宮の門を通って、
みずからの超越性を回復するのである。
エルヴェ・マソン「世界秘儀秘教事典」
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その影響は、秘教のなかにいまだに息づいています。
宗教の霊的な源泉は一つなのです。
ピュタゴラス自身、「オルフェウス密儀」への秘儀を伝授されていたとも推測できる。
彼のエジプトや小アジア、いや、遠くインドにまでいたる伝説的な旅、
とくに天文学や幾何学にかんする知識は、
彼の教えに、オルフェウスにはおそらく欠けていたと思われる哲学的・教義的な性格を与えた。
やがてピュタゴラスの弟子たちはこうした教義や哲学を強化し、広めていった。
ピュタゴラス派によれば、彼らの学問の実践のみが、
霊魂を真理の道へと導くことができるという。
そして、この知が霊能者の天体にかんする神秘主義を特徴づける忘我を招くともいう。
ピュタゴラス派の研究に近づこうとするなら、
はっきりと打ち立てられた道徳的な教えに沿って生きることを理解するにかぎる。
「以下のものを克服することに慣れよ。
まず汝の胃、ついで眠り、性的本能、そして怒りである。」
しかるベき道徳的生活の教えを実践しつつ、
ピュタゴラス派のメンバーは、やがて知るようになる。
「自分が不死の神々と死すべき人間たちとを結ぶ絆であり、
自然ないし本性が、霊魂のなかにある聖なるものを、
目覚めさせうる者たちに一切を明かしてくれる。」ということを。
周知のように、まずピュタゴラス主義、
ついで新ピュタゴラス主義は、
後続のグノーシス主義の考えに重大な影響を与えている。
この影響はイスラム教にまでおよび、
こうしてそこには秘教学の伝統が深く刻まれるようになった。
さらに、数世紀たったあとでも、ケプラーやコペルニクス、
そして近代のさまざまな天文学者たちの発見にもかかわらず、
ピュタゴラス主義はなおも存続し、フリーメイソンの伝統と内密に結びついた。
ピュタゴラス派の学問や天文学による天体の神聖な性質の論証、
哲学的・形而上学的ないくつかの結論は永遠なものでありつづけるだろう。
いっぽう、転落や霊魂の神的な起源と物質は、
秘教的伝統の太古の遺産に属している。
同じことは救いの教義や霊魂の天界への帰還についてもいえる。
永遠の黄道十二宮では、霊魂に内在する神が、
霊魂と同じように、巨蟹宮の門、すなわち「人間たち」の門を通って姿を現わす。
だが、この神はまさに「神々」の門である磨羯宮の門を通って、
みずからの超越性を回復するのである。
エルヴェ・マソン「世界秘儀秘教事典」



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2009.03.09
アドラスティアの掟
プラトンは、「パイドロス」において、
霊魂について、輪廻転生について、このように語っています。
仏教そっくりです。
霊魂は、
たとえいかなるものであるにせよ、
過ちに対する制約を受ける。
原則的にいえば、この過ちこそが、
肉体のなかに閉じ込められた、
天上的霊魂の転落にほかならない。
そして、アドラスティアの掟は、つぎのように定められている。
いかなる魂も、神の行進に随行することができて、
真実なる存在のうちの何かを観得したならば、
つぎの回遊のときまで禍いを逃れてあること。
そしてもし、その回遊の機会ごとに、
つねにそうすることができるならば、
いつまでも損なわれずにいること。
しかし、ひとたび魂が、
神に随行することができなくなって、
真実性を観そこなったならば、
そして、なんらかの不幸のため、
忘却と悪徳とにみたされて重圧を負い、
この重さによって翼を損失し、地上に墜ちた場合、
法は次のように定める。
すなわち、この魂は、
この世に生まれる最初の代においては、
いかなる動物のなかにも植えつけられることなく、
誠心誠意、知を愛し求めた者や、
熱情のなかに生を送ったもの以外の魂たちは、
最初の生涯を終えると、裁きにかけられ、裁かれてのち、
あるものは地下の世界にある仕置きの場におもむいて、
正当な罰をうけ、またあるものは、
司直の女神ディケにより、天上の場所にはこびあげられて、
人間の姿において送った生活の功により、
それにふさわしい生をそこで送る。
そして、千年目の年に、このどちらの魂も、
第二回目の生をくじ引きで選ぶためにやってきて、
それぞれが欲するような生を選ぶ。
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霊魂について、輪廻転生について、このように語っています。
仏教そっくりです。
霊魂は、
たとえいかなるものであるにせよ、
過ちに対する制約を受ける。
原則的にいえば、この過ちこそが、
肉体のなかに閉じ込められた、
天上的霊魂の転落にほかならない。
そして、アドラスティアの掟は、つぎのように定められている。
いかなる魂も、神の行進に随行することができて、
真実なる存在のうちの何かを観得したならば、
つぎの回遊のときまで禍いを逃れてあること。
そしてもし、その回遊の機会ごとに、
つねにそうすることができるならば、
いつまでも損なわれずにいること。
しかし、ひとたび魂が、
神に随行することができなくなって、
真実性を観そこなったならば、
そして、なんらかの不幸のため、
忘却と悪徳とにみたされて重圧を負い、
この重さによって翼を損失し、地上に墜ちた場合、
法は次のように定める。
すなわち、この魂は、
この世に生まれる最初の代においては、
いかなる動物のなかにも植えつけられることなく、
誠心誠意、知を愛し求めた者や、
熱情のなかに生を送ったもの以外の魂たちは、
最初の生涯を終えると、裁きにかけられ、裁かれてのち、
あるものは地下の世界にある仕置きの場におもむいて、
正当な罰をうけ、またあるものは、
司直の女神ディケにより、天上の場所にはこびあげられて、
人間の姿において送った生活の功により、
それにふさわしい生をそこで送る。
そして、千年目の年に、このどちらの魂も、
第二回目の生をくじ引きで選ぶためにやってきて、
それぞれが欲するような生を選ぶ。



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