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お釈迦さまが霊鷲山に滞在中、
霊天上界から、ヴェッサヴァナ(毘沙門)天がやってきて、
ヤッカ(霊人)のなかには、悪意をもって仏弟子や信者たちに害を及ぼすものがいるので、
彼らの安全のために、「アーターナーターの護経」を保持させるように要請しています。
それを受けて、お釈迦さまは、弟子たちにこの護経を勧めました。

原始仏典には、このような霊との対話がいたるところに出てくるのです。




『明らかな眼をもち、光輝にあふれたヴィパッシ仏に帰命する。
すべての生き物を憐愍するシキ仏にも帰命する。
煩悩を洗い流した苦行者であるヴェッサブ仏に帰命する。
魔の軍隊を打ち破ったカクサンダ仏に帰命する。
完成者でありバラモンであるコーナーガマナ仏に帰命する。
すべてのものから解脱したカッサパ仏に帰命する。

すべての苦を除く、この教えを説いたサキャの子であり、
光輝にあふれたアンギーラサ(ブッダ)に帰命する。

世間において寂滅に達し、あるがままに眺め、
中傷せず、恐怖を離れた、それら偉大な人たちは、
明知と実践とをそなえ、恐怖を離れて、
天と人とを利益した、偉大なゴータマ仏に帰敬する。

母神の子であり、大きな輪を有す太陽が昇るところ、
それが昇るとき、夜は消滅する。
太陽が昇ったとき、昼と称され、
そのところにある湖は深く、水の流れ込む海は深い。
このようにそこにおいて、それを「水の流れ込む海」と人々は知り、
これから「この方角が東である」と人はいう。
この方角を守護する、名誉ある大王は、
ダタラッタという名前の、音楽神たちの統治者である。

その場所から亡者と、中傷する者と、陰口をいう者と、
凶暴な殺生者と盗賊と詐欺者とを連れ出せといわれるところ、
これから「この方角は南である」と人はいう。
この方角を守護する、名誉ある大王は、
ヴィルーラという名前の、妖精たちの統治者である。

母神の子であり、大きな輪を有す太陽が沈むところ、
それが沈むとき、昼は消滅する。
太陽が沈んだとき、夜と称され、
そのところにある湖は深く、水の流れ込む海は深い。
このようにそこにおいて、「水の流れ込む海」と人々は知り、
これから「この方角が西である」と人はいう。
この方角を守護する、名誉ある大王は、
ヴィルーパッカという名前の、竜神たちの統治者である。

楽しいウッタラクル洲、そこに美しいシネール山がそびえ、
人々はわたしのものという執着をもたず、愛執をもたずに暮らす。
これより「この方角が北である」と人はいう。
この方角を守護する、名誉ある大王は、
クヴェーラという名前の、霊人たちの統治者である。

かれらもまた、太陽の種族であるブッダを見て、
偉大にして、恐怖を離れたブッダに帰命する。
人中の貴人よ、あなたに帰命する。
人中の最上の人よ、あなたに帰命する。
あなたは巧みに大衆を観察する。
人ならぬ者も、あなたに礼拝する。
わたしたちはつねに聞いている、「あなたたちは勝利者ゴータマに礼拝するか」と。
それゆえ、わたしたちはいおう、
「わたしたちは勝利者ゴータマに礼拝する。
明知と実践とをそなえた覚者ゴータマに礼拝する」、と。』

「比丘たちよ、このアーターナーターの護経を学びなさい。
比丘たちよ、アーターナーターの護経に習熟しなさい。
比丘たちよ、アーターナーターの護経を記憶しなさい。
アーターナーターの護経は、
比丘と比丘尼と男の在家信者と女の在家信者を保護し、
守護し、害をなくし、平穏に暮らすために役にたつでしょう。」

世尊はこのように説かれた。
それら比丘たちは歓喜して世尊の教説を信受した。

パーリ原始仏典長部第32経「アーターナーティヤ経」




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