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2008.12.28 来るべき世界
21世紀に入って、宗教間紛争は激化していますが、
人類は、大歴史家トインビーの提示するビジョンには、いまだ追いついていません。




高等宗教が自覚している使命は、
個々の人間を究極の霊的実在に直接に接触させることである。
高等宗教は、人間がこのうつろい易い人生を生きていく時悩まされる試練に対し、
人間を啓発し、導きと助けとを与えてくれる。
人間は誰でも、失敗し、罪を犯し、愛する者との死別に耐え、そして最後には死に出会う。
人間は不断の精神的な助けを必要とし、それは高等宗教によって与えられる。
高等宗教は人間に生得の権利を所有させた。
人間は社会のために存在するのではない。
その目的は究極の霊的実在との親交と調和にあり、
社会はこの個人の霊的探求のために存在するのである。
高等宗教は人間に、人間自身についての真理を教えた。
イデオロギーは、高等宗教の不十分、不完全な代用である。
それでもなお、高等宗教が再び人の心をつかむまでは、
イデオロギーが高等宗教のかつての信者の心をつかみ、それを保つことはほぼ確実である。
高等宗教が人心を取り戻すためには、もう一度自己に忠実にならなければならない。
そしてそのためには、少なくとも3点において習慣を改めなければならない。
高等宗教は、お互いに対する態度と行動を、
敵意と敵対から愛と協力に変えなければならない。
高等宗教は実際的な方法で、各時代の重大な問題に関与しなければならない。
そして高等宗教は、それらの制度、教義、教えの永久に変わらぬ本質から、
長い歴史のうちに本質を覆い隠してしまった非本質的な付着物を取り去らなければならない。

第二次世界大戦以来、
宗教界の諸権威と各信者たちに起った変化は、新たな明るい見通しを開いた。
信者の獲得と維持のために互いに争い続ける代りに、
全体としての人類、および人類というものを構成する一人一人の人間に、
可能な限りの助力を与えるために諸々の高等宗教は互いに協力するようになるだろう。
宗教が人間の魂のためにすることのできる最大の霊的な奉仕は、
それが真理と救いを探求するのを、たとえその探求が、
魂を先祖伝来の宗教からその魂自身が選んだ別の宗教へと導くものであっても、
助けることである。
宗教における成功の尺度は信者の数ではない。
それは人間に、その人間がどの宗教に帰依しているかということは問題にせず、
どれだけの精神的な助力を与えることに成功したかなのである。

芸術が伝統的に宗教に献げられていたということは、
人間の真の最終目的が芸術ではなく、宗教であることを暗示する。
宗教は私たちの祖先が人間になって以来常に人間の最終目的だった。
究極の霊的実在の追求は、人間性本来のものである。
過去においてある者は熱心にこの共通の生得権を受け入れ、
他のものはこれからなんとか免れようとした。
私たちは今、真実を無視することが一層難かしい時代に移りつつある。
機械化、原子力、富裕、余暇の来るべき時代に、
宗教は、人間の際限のない渇望に対して開かれた自由と創造のための無限の場として、
正当の名誉を博するように必ずなるだろう。

西欧および私たちの西欧化された世界の将来の見通しはどんなものだろうか。
西欧人および西欧化された人々は、
人間の霊的な瞑想の能力をうまく使うことができるだろうか。
もしこの能力が退化するならば、私たちは人間の生れながらの権利を失わなければならない。
そして核時代において、私たちの人間以下の動物性に返る過程は、
必ず「獣的で短期間に行われる」ものだろう。
しかし私たちが自分たちから取り去り、捨て去ろうと如何に必死になっても、
神を求める人間の衝動が根絶できないものであるということは考えられる。
「人間の第一の、最高の目標とはなにか。
人間の第一の目的は神を賛美し、永遠に神を享受することである」。
この問いと答えとは、如何なるヒンドゥー教の聖典や、
中世西欧キリスト教神学の著作からも出て来ない。
これらは、1648年に作られ、スコットランドのカルヴィン派教会に採用された、
ウェストミンスター教理問答の最初の文句である。
これらの言葉の中に、近代西欧人は彼らが避けようとしている真実を、
われにもあらず宣言しているのである。
彼らは自分自身に対して反証を与えている。
この告白は自らを弁解するものであり、また自らの救いに対する希望である。
神を讃美し永遠に神を享受するということは、
地上での人間の生に残されている20億年を待たずして、
この地上での現在の永遠の生と関わりをもつものである。


「現代が受けている挑戦」




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