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2009.04.25 再生の観念
イギリスの生命科学者・動物学者であるライアル・ワトソン氏による輪廻転生の考察です。

再生の観念は、世界共通なのです。




近代の深層心理学では、
人間精神の奥深くに人類の叡知の源泉が隠されていると信じられている。
ユングは、「再生の観念は、生命を肯定する人類の原初的な行為のひとつとして、
考えられるべきであり、こうした肯定行為には、
その基礎となる精神的、心霊的な出来事があったはずである」としている。
プラトンの対話篇の中で、ソクラテスは、
教育はひとりの人間から別の人間へもたらされるものではなく、
すでに存在する何かを引き出すものだと指摘している。
彼が引き出そうとしたのは、
われわれが催眠術で得るような、名前とか日付といった瑣末な情報ではなく、
「霊魂がその悠久の旅のあいだに培った叡知の痕跡」だった。

生まれ変わりの観念は、ヒンズー教、ジャイナ教、シク教、仏教、道教、儒教、
ゾロアスター教、ミトラ教、マニ教、アニミズム、ユダヤ教、キリスト教、
イスラム教、フリーメイソン団、神智学派等、数多くの信仰に見られる。
西欧哲学からざっと拾っても、
ヒュームや、カント、ショーペンハウエルらの著述に、
反復発生や霊魂移体や転生といった用語に姿を変えて登場している。
たったひとつの観念が、これほど広汎な文化的支持を得ている例はほかに存在しない。
だからこそ無意味な観念がこれほど長きにわたって持続したのだ、
という議論も成り立つだろうが、
あまりに多種多様な文化的なつながりのない起源をもつこの信仰に、
まったくなんの基礎的、生物学的有効性がないとは、私にはどうしても信じられないのだ。


「ロミオ・エラー」




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