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2009.06.21 霊魂学
世界の常識では、「霊」は科学的にも存在しているのです。

ところが、唯物論大国日本では大切な情報は遮断されています。

天才的宗教学者クリアーノ氏の翻訳者はこう嘆いています。




クリアーノにとって、自己超出は人間精神の本源的存在論的構造である。
「この世の外に汝の真我を求めよ」。
これはグノーシスの真諦である。
エクスタシスは超越の玄義、精神の飛翔である。
見ること、認識、想像、観照、夢、幻視―いずれも超越の形式。
「霊魂の翼は美を観照するとき生え始める」、
「認識的霊魂は翼が生え、無窮の真実在界へと飛翔する」(プラトン)。
「霊魂は鳥や蝶のごとく飛翔する霊的実体。霊魂は秘儀伝授の結果翼を生ずる」(道教)。
「飛翔は叡智、あるいは隠秘なる事象や形而上的真理の理解。
叡智マナスは鳥の最速のもの」(『リグ・ヴェーダ』)。
「夢は神々に出会う最上の場」(シュネシオス)。

見ることは魂の飛翔。
精神の目は、見はるかすかぎりの空間を抱懐し、宇宙の広袤に広がり、
無辺大となり、時空を自在に飛翔し往還することができる。
眼前に広がる無辺大の宇宙、無辺大の世界。
「魂の際限を君は歩いて行っても発見することはできないだろう。
どんな道を進んで行ったにしてもだ。
そんなに深いロゴスをそれは宿している」(パルメニデス)。
このような瞬間、人は直覚する。
宇宙の広袤はそのまま魂の深みなのである。
極限において夢覚するのは己自身ではないか? 
自己とは世界ではないか? 
「万物は一者にして一者は万物なり」(『アスクレピオス』)。
このような直覚は人類にとっての原体験であり、
古代イオニア学派やパルメニデスをはじめグノーシスに至るまで、
古代人の始原の体験だった。
古代人にとって、見るものと見られるもの、認識と存在は同一だった。
大宇宙は小宇宙、物理空間はそのまま精神空間、
宇宙の広袤は人間精神の深さであり、
存在と意識は現代人のように画然と切り離されておらず、
宇宙や世界は霊魂にとって単なる外在者ではなく、
天界の出来事は直ちに神的事実の反映だった。
それゆえ宇宙空間の深化・構造化・分節化は、人間精神の同一のプロセスに対応する。
クリアーノが惑星理論の発展による宇宙構造の変化にこだわったのは、
それが精神現象の深化の現われだったからである。
字宙空間と同じく、魂の世界は多次元空間なのである。
クリアーノの斬新さは、ヒルベルト空間、フラクタル空間など現代数学の発想を借りて、
心と「心の産物」を「システム」として扱おうと試みたことである。

ある日本のノーベル賞物理学者は科学記者に霊魂というものについてどう思うかと質問され、
そんな曖昧なものは扱わないと答え、記者はこれに深く感銘を受けたと伝えられる。
ギリシア古代では宇宙論は同時に霊魂論であり、両者は表裏一体の関係にあった。
宇宙論を書いたものは必ず霊魂論を書いた。
アリストテレス然り、マクロビウス然り。
アリストテレスは、
天上の産物である霊魂というもっとも美しいものを扱うとして『霊魂論』を書いた。
現代の宇宙物理学の書物を読んでいて、宇宙論の壮大さに引き比べ、
人間論に関しては、質白質から意識が発生したとか、
蛋白質の自己進化だとか、みすぼらしいのにがっかりさせられる。
「宇宙における人間の位置」を論じ、
のちにピコ・デッラ・ミランドラが『人間の尊厳についての提唱』において、
ルネサンスの人間概念として闡明した、
「人間は大いなる奇蹟なるかな。崇敬措く能はざる生き物」、
という『アスクレピオス』の提題にくらべ、なんと卑小な人間観であることか。
これは人間精神を最初から排除した必然の帰結であろう。
「意識」の問題についても、現在の脳科学が主張する、
意識を脳機能の物理学的生理学的機序とする単純粗雑な議論でいいのであろうか? 
いまや擬似科学「唯脳教」の花盛りで、
「霊魂」はおろか、「精神」も「心」という言葉も死語と化した。
もはや終末的症状である。
このような粗雑な前提に立って死生観や「脳死問題」を扱われてはたまったものではない。
脳と意識の問題はベルクソンが議論を始めてからすでに一世紀がたつ。
ベルクソンは意識と脳の関係を電波と受信機の関係に喩えた(『精神のエネルギー』)。
この問題は永遠にして究極の問題だろう。

クリアーノが問いかけるのは、17世紀の「科学革命」によって、
ヘレニズム=ルネサンス・ヘルメス科学のアンティテーゼとして出発した近現代科学は、
存在論の基本問題、存在とは何か?なにゆえに存在は存在するか?
という究極の問題に対応する姿勢が見られないということである。
ここれらは『ゾストリアノス』(ナグ・ハマディ写本)に見るごとく、
前近代の精神がそれぞれに真摯に応答を試みた問題だった。




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