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人間として前途への希望がなくてはならない。
希望がなければ世の中に努力する者はいない。
明日の幸福を望むことで今日の不幸を慰めることができる。
来年の楽しみを望むことで今年の苦しさを忍ぶことができる。
昔は、世の物事はすべて古いしきたりに支配されて、
志ある人でも、希望を持てる目標がなかったが、
今はそうではなく、この制限を一掃して後は、
まるで学生のために新世界を開いたかのように、
天下のいたるところに仕事をなす場がある。
農民となり、商人となり、学者となり、役人となり、
書物を著し、新聞紙を書き、法律を講義し、芸術を学び、
工業も起こすことができ、議会を開くこともでき、
種々の方面の事業について、してはいけないものはない。
しかも、この事業を行って、
国中の仲間どうしが喧嘩をするというわけではない。
その知恵を争う相手は外国人である。
この知恵の戦いで優位に立てば、
我が国の地位は高まるだろうし、
負ければ落ちるだろう。
希望は大きく、期待することは明らかであると言えよう。
もちろん天下の事業を現実に実行するには早い遅いがあるだろう。
とはいえ、どうしてもこの国に不可欠の事業については、
人々はそれぞれの長所を生かして今から研究しなくてはならない。
かりにもこの世に生きていく者としての義務を知る者は、
この時に臨んで傍観していてよいはずがない。
学生は努力しなければならない。
このことによって考えると、
今の学問する者は決して普通の学校教育で満足してはならない。
志を高く遠く持って学術の本来の姿に達し、
不羈独立、他人に頼らず、
もし、同じ志の友人がいなければ、 
一人でこの日本国を維持するのだという気力を養い、
世のために尽くさなければならない。


福沢諭吉「学問のすすめ」




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