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創造的な実践活動は、新しい何かを生みだすことになります。
創造的な発想・方法・技術・解釈・活力は、
いずれも既存のものを超越すると同時に、それを自己の内部に包含します。
優れた発明は、真空空間のなかに突然生まれるものではありません。
アイザック・ニュートンは、次のように述べています。
「もし私が彼方を見渡すことに成功しているとすれば、
それは過去の偉大な巨人の遺産のうえに可能となっているのです」。

発明家は、新しい視点を通して、既に存在しているものをとらえなおします。
ハッブル宇宙望遠鏡の修復を成功に導いたNASAの科学者は、
ハイテク宇宙深査ロボットとドイツのホテルのシャワー設備を、
創造的につなぎあわせることで、創造的な発明を成し遂げたといいます。

創造性を発揮するための一つの方法は、
他の誰も気づいていないところに、意味のある関係を見出すというものです。
ここで紹介する実践法は、
統合的な発想に基づいて、あなたの創造性を増幅するためのものです。

1.吸収(absorption)
創造性を発揮することが求められている領成について、
可能な限りたくさんの情報を吸収します。
その領域に全身で飛び込むのです。
これは、たとえば、関連書籍を読んだり、専門家の話を聞いたり、
実際に関連活動に参加することで可能となります。
過去の偉大な巨人の遺産のうえに立つことができる前に、
私たちはまず彼らと仲良しになる必要があるのです。

2.培養(incubation)
それまでに吸収したものを忘れて、文脈を変えます。
もしこれまでに12時間もの間、
事務所で問題解決にとりくんでいたとするなら、帰宅してください。
もしこれまでに関連書を読み続けていたとするなら、映画を観るのです。
もしこれまでに人間関係上の問題についてとりくみ続けていたとするなら、
ひとり旅に出るのです。
こうした文脈の転換の転換そのものが、あなたの意識を変化させることになります。
そして、それは、あなたの意識と脳の異なる次元を活性化させることになります。
さらに、自己の身体の三つの次元(グロス・サトル・コーザル)とのつながりを確認します。
瞑想・休息・睡眠・運動・娯楽等のさまざまな活動にとりくむことを通して、
異なる意識状態に触れることができます。
そして、それは必然的に異なる視点を得ることを可能にします。
古い視点の放棄と新しい視点の開拓という作業にとりくみ続けることにより、
創造性が活性化されることになります。

3.証明(illumination)
創造的なひらめきは、予期せぬかたちで訪れることもあります。
創造性に関する調査・研究は、「三つのB」について言及します。
トイレ(bathroom)とベッド(bed)とバス(bus)です。
これらは、優れたアイデアがひらめく場所として広く認知されている場所です。
これらの場所は、普段の意識状態とは異なるもう一つの意識状態をつくることになります。
すなわち、夢見状態です(必然的に、それは脳内のアルファ波と、
シータ波の働きを活性化させることになります)。
夜遅くと朝早くは、とりわけひらめきに溢れた時間帯であるといわれます。
そこでは、私たちは覚醒状態と睡眠状態の間を漂うのです。
夢見状態は、私たちの日常的な粋組みを取り外し、
一見すると全く関係のないものごとの間に関係を見出すことを可能にするのです。
創造的なひらめきをあたえられたとき、それをありのままに書き留めるようにしてください。
そうしたアイデアを忘れないためにも、常に筆記用具を携帯しておくといいでしょう。

4.評価(evaluation)
あなたのひらめきを複数の視点を通して分析して、
それが実際にどのような有効性をもつのか、
そして、どのように全体と関係するのかを把握します。
自分のアイデアを批判的に検証してください。
そこに問題が隠れていないか検証してください。
そのアイデアは実際に実現可能なものでしょうか?
それをさらに発展させるためには何ができるでしょうか?
それを実際に実行するにためには、どうすればいいのでしょうか?

ケン・ウィルバー「インテグラル・ライフ」




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