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2008.06.02 肉体の超克
お釈迦さまは、
肉体を超克するための修行法を確立されました。


自らの呼吸に注意を向ける、出入息法

自分の動作や行動に集中し、意識して所作を自覚するヴィパッサナー瞑想

身体を地水火風の要素の点から観察する、身体構造の観察による修習

死体の観察による無常観の修習

欲望を斥ける禅、精神集中し心を統一させる禅、
安楽に住する禅、平静さと注意力を得る禅、からなる四禅定


これらの修行は現実逃避ではなく、
積極的に、肉体を超克して自由自在な境地を得るためのものでありました。




「比丘たちよ、『身体にむけた注意』を習い、養い、強化し、操り、基本とし、実行し、
繰り返し、完全に習熟すると、次の十の利益が期待される。十とはなにか。

(一)好き嫌いを克服できるようになる。かれは嫌悪感をものともせず、
   生じてくる嫌悪感を打ち負かし続ける。
(二)恐れと怖じ気を克服できるようになる。かれは恐れと怖じ気をものともせず、
   生じてくる恐れと怖じ気を打ち負かし続ける。
(三)寒さ、暑さ、飢え、渇き、虻・蚊・風・熱・蛇との接触や辛辣で不愉快な発言に耐え、
   身体に生じる苦しい、はげしい、ひどい、つらい、嫌な、不快な、
   死にそうな感覚をこらえられるようになる。
(四)現世で気持ちよく過ごすことのできる、雑念を離れてすっきりした四つの禅定を、
   思うままに得、難なく得、苦労なく得られるようになる。
(五)多種多様な不可思議力を行使する(神足通)。一身から多身になる。
   多身から一身になる。現れたり消えたり、壁を通り抜けたり、土手を通り抜けたり、
   山を通り抜けたり、まるで空中を行くようにぶつかることがない。
   陸上でもまるで水の上にいるように浮かんだり沈んだりする。
   水の上でもまるで陸上にいるように沈むことなく歩む。
   空中でもまるで翼のある鳥のように足を組んだまま進む。あれほど大神通があり、
   あれほど大威力があるあの月と太陽を手でなでたりさすったりする。
   梵天界にいたるまでも身体をもったまま自由に行き来できる。
(六)澄み切った超人間的な天の聴覚で、遠くであれ近くであれ、
   神々と人間たち両方の声を聞く(天耳通)。
(七)他の生物や他の人々の心を心でとらえて知る(他心通)。
   貪りのある心を貪りのある心と知り、貪りのない心を貪りのない心と知る。
   僧しみのある心を僧しみのある心と知り、僧しみのない心を僧しみのない心と知る。
   愚かさのある心を愚かさのある心と知り、愚かさのない心を愚かさのない心と知る。
   慎みのある心を慎みのある心と知り、乱れた心を乱れた心と知る。
   広大な心を広大な心と知り、狭小な心を狭小な心と知る。
   劣った心を劣った心と知り、最高の心を最高の心と知る。
   集中した心を集中した心と知り、集中していない心を集中していない心と知る。
   解脱した心を解脱した心と知り、解脱していない心を解脱していない心と知る。
(八)前世での多種多様な生活を想い出す(宿明通)。
   すなわち、一つの生涯、二つの生涯、三つの生涯、四つの生涯、五つの生涯、
   十の生涯、二十の生涯、三十の生涯、四十の生涯、五十の生涯、百の生涯、
   千の生涯、百千の生涯、多数の衰退の劫、多数の形成の劫、
   多数の衰退と形成の劫にわたり、
   『あのときわたしはこういう名前で、こういう姓で、こういう家柄に属し、
   こういうものを食べ、こういう楽しみと苦しみを味わい、こういう年齢でなくなった。
   そして、そこから没してあそこに生まれた。そこではわたしはこういう名前で、
   こういう姓で、こういう家柄に属し、こういうものを食べ、
   こういう楽しみと苦しみを味わい、こういう年齢でなくなった。
   そして、そこから没してここに生まれたのだ』というように、
   状景とともに詳細とともに、前世での多種多様な生活を想い出す。
(九)澄み切った超人間的な天の眼で、
   生きものが死んだり生まれかわったりするのを見る(天眼通)。
   下等なものや上等なもの、美しいものや醜いもの、幸せなものや不幸なものなど、
   生きものたちが行為に応じて報いを受けているのを知る。
(十)煩悩を尽くして、煩悩のない心の解脱と智慧による解脱を、
   現世においてみずからはっきりと知り、じかに見、そこに達してとどまる(漏尽通)。

比丘たちよ、『身体にむけた注意』を習い、養い、強化し、操り、基本とし、実行し、
繰り返し、完全に習熟すると、以上の十の利益が期待されるのである。」

世尊はこういわれた。比丘たちは感激して世尊のことばを讃えた。


パーリ原始仏典中部第119経「念身経」




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