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2008.06.28 神なき時代
東洋哲学者の西晋一郎に師事し、
全一学という実践的な思想を提唱した森信三氏は、
戦前から戦後にかけて活躍した日本を代表する教育者です。

東西両文明の哲学や宗教を極めると、当然の彼のような保守思想に帰結します。

現在の神を語ることが憚られるような風潮は異常です。

ましてや宗教者であるはずの僧侶ですら、虚無思想に毒されているのです。

もともと東洋には、物しか存在しない、などという考え方はないのです。

神仏を信仰するのがあたりまえの時代に戻さなければなりません。

森信三氏の言葉です。




なぜわたくしは、神の問題を重視するかと申しますと、
この問題は、自分のいのちの本源に関する問題だからであります。
否、一個のわたくしだけでなく、万人の、地上一切の生命の本源だからです。
神について、いまひと言でいうなれば、
「神とはこの大宇宙をあらしめ、かつこれを永遠無窮に統一している絶大な力であり、
超生命的な大生命である」と考えているのであります。

「人は死んでからどうなるか」という問題ですが、
これに対するわたくしの答えは、
「われわれ人間は、死ねば生まれる以前の世界へ還ってゆく」ということです。
結局のところ、この世へ生まれでる以前の魂のふるさとへ還ってゆくことです。
それまでに自分のなすべき仕事を、できるだけ片づけておきたいと思うだけです。
この世に派遣せられた者として、その使命を、
十分に果たしておく必要があるということです。

この世におけるいろいろのよからぬこと、また思わしからざることも、畢竟するに、
神の全知の眼から見れば、それぞれそこに意味があるといえるわけです。
いやしくもわが身の上に起こる事柄は、そのすべてが、
この私にとって絶対必然であるとともに、またこの私にとっては、
最善なはずだというわけです。
それは必ずや神が私にとって、それを絶対に必然と思し召されるがゆえに、
かく与えたもうたのであると信ずることです。

わが国教育界の現時の頽廃は、結局民族の使命感の喪失に帰因するのでしょう。
これまでは富国強兵の延長線上でしかなかったのですが、
いまや人類的立場に立って東西文化の融合の架け橋として、
その縮図を提供するという使命感を打ち出すべきでしょう。
思えば内村鑑三は、すでに三十代にして『地人論』において、
民族の使命を宣言しているのですからね。





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