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2008.09.06 梵天勧請
お釈迦さまは大悟された後、
創造神ブラフマーより、法を説くように要請を受けています。

仏教もある意味、啓示宗教であり、仏陀は預言者でもありました。

霊界との接触なくして、宗教は発生しえないのです。




修行僧たちよ、わたしはつぎのように思った。

『わたしが感得したこの真理はじつに深遠で、見がたく、理解しがたく、静寂で、
すぐれていて、思考の領域ではなく、微妙で、賢者によって知られるべきものである。
しかし、人々は執着を好み、執着を楽しみ、執着を喜んでいる。
しかし、執着を好み、執着を楽しみ、執着を喜んでいる人々には、
いわゆるこれを縁とすること、縁起というこの道理は見がたい。
また、いわゆる一切の自己形成力が静まること、
一切の生存のしがらみを捨て去ること、渇愛を消滅すること、汚れが薄くなること、
滅し尽くされること、ニルバーナというこの道理もまた見がたい。
しかも、わたしが教えを説いたとしても、他の者たちが、
わたしのことをよく理解しなければ、わたしは疲れるし、がっかりするであろう。』

さらに、修行僧たちよ、わたしに、
これまで聞いたことのないこの不思議な詩句がひらめき現われた。

『わたしが苦労して得たものを、いま説く必要はない。
貪りや怒りに負かされた人々には、この真理はよく理解しがたい。
世間の流れに逆らい行き、微妙で、深遠で、見がたく、微細であるこの真理を、
貪欲に染まり、暗黒に覆われた人々は、見ない。』

修行僧たちよ、このように省察したわたしのこころは意欲をなくし、
教えを説こうとは思わなくなった。
そのとき、修行僧たちよ、世界の主であるブラフマー神は、
わたしのこころのなかの考えをこころによって知ってこう思った。

『ああ、君よ、世界は減びてしまう。ああ、君よ、世界は消滅してしまう。
なぜなら、尊敬されるべき者であり、正しく目覚めた者である如来のこころが、
意欲をなくし、教えを説こうと思わなくなったのだから』と。

そこで、修行僧たちよ、世界の主であるブラフマー神は、
あたかも力のある男が曲げた腕を伸ばし、伸ばした腕を曲げるように、
ただちにブラフマー神の世界から姿を消して、わたしの前に現われた。
そして、修行僧たちよ、世界の主であるブラフマー神は上衣を一方の肩にかけ、
わたしに向かって合掌してこういった。

「尊い方よ、世尊は教えを説いてください。幸いな人は教えを説いてください。
生まれつき汚れの少ない人々がいますが、教えを聞かないで衰退しています。
かれらは教えを理解できるようになるでしょう。」

修行僧たちよ、世界の主であるブラフマー神はこのようにいった。
このようにいって、さらにこういった。

「かつてマガダ国に、汚れた者たちが考えた不浄の教えが現われました。
この不死の門を開いてください。
人々は汚れのない者によってさとられた真理を聞きなさい。
あたかも山頂の岩に立って、あまねく人々を見わたすように、
賢者よ、真理の高殿に登り、
あまねき眼をもつ者よ、憂いを離れたあなたは、
憂いに覆われ、生まれと老いに負かされている人々を観察してください。
勇者よ、立ってください。戦いの勝利者よ。
隊商主よ、負債のない者よ、世の中を歩いてください。
世尊は教えを説いてください。理解する者たちも現われるでしょう。」

そこで修行僧たちよ、わたしはブラフマー神の要請を知り、
生命あるものたちへの憐れみから、目覚めた者の眼をもって世の中をながめた。
たしかに、修行僧たちよ、わたしは目覚めた者の眼をもって世の中をながめながら、
汚れの少ない者たちを、汚れの多い者たちを、感官の鋭い者たちを、
感官の鈍い者たちを、様相の善い者たちを、様相の悪い者たちを、
教えやすい者たちを、教えにくい者たちを、
また、ある人々は来世や罪に対する恐れを見て過ごしているのを見た。
それはちょうど、青蓮の池、あるいは紅蓮の池、あるいは白蓮の池において、
ある青蓮や紅蓮や白蓮は水中に生じ、水中で生長し、水面に出ることなく、
水中に没したままで生育し、ある青蓮や紅蓮や自蓮は水中に生じ、
水中で生長し、水面で止まり、また、ある青蓮や紅蓮や白蓮は水中に生じ、
水中で生長し、水面を超えて、水にぬれずに立っているようなものである。
そこで、修行僧たちよ、わたしは世界の主であるブラフマー神に詩句で答えた。

「ブラフマー神よ、耳ある者たちに不死の門は開かれた。
信頼を寄せなさい。
ブラフマー神よ、わたしは害意をもって、
洗練された、すぐれた真理を人々に説かなかったのである。」

すると、修行僧たちよ、
世界の主であるブラフマー神は、『わたしは世尊が教えを説く機会をつくった』と、
わたしを礼拝し、右まわりの礼をして、そのまま姿を消した。


パーリ原始仏典中部第26経「聖求経」




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