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「仏教は霊魂を認めない」というのが定説のようになりつつありますが、
しかし、それはごく最近の流行の言説にすぎません。

新カント主義の影響を受けて、霊魂や輪廻などの形而上を捨象したのは、
仏教学者の宇井氏であり、
『原始仏教の実践哲学』で四諦、八正道、十二因縁を釈尊の根本的立場であるとして、
それらには輪廻思想の入り込む余地がない、といったのは、哲学者の和辻氏です。

それらの無霊魂、輪廻否定の説が、スタンダードとなる以前は、
なんと、東京帝国大学教授で印度哲学の世界的権威、木村泰賢博士によって、
スピリチュアリズムと仏教が類似しているという指摘がなされているのです。

ちょっと見てみましょう。

「近来、キリスト教徒の中に、終末審判説を排して、
インド思想ことに仏教に似たような未来観を主張する、
いわゆる心霊主義が随分盛んになって来た。
彼らにしたがえば、霊魂は前業に応じて直ちに、相当の報土に至るもので、
下は地獄から上は神座に至るまで、種々の階段のあること、
あたかも仏教の六道または、十界観に似たものがあり、 しかも彼らは、
ここにあっては、その罪の酬いを果たして、次第に上位に登るのであると。
ことに吾人の最も興味を感じたのは、
心霊主義者として有名な英国の牧師オーエン氏が、
昨大正九年の春にWeekly Despatch紙上に発表した、
いわゆる死者からの通信の一節である。
これによれば、一亡者があり、
その罪に対する神の裁きを恐れて安んじないものがあるのに対して、
一天使教えて曰く、汝の罪は汝自ら果たすものにして、神の裁きによるにあらずと。
以って、終末審判説と神意による審判説は、すでに牧師の中にも次第に動きつつあって、
しかも、仏教的業思想などに近い考えが有力になりかかった、
一徴候とするに足るものがあるのではないか。」
 

『木村泰賢全集第三巻 原始仏教思想論』P.190

このように博士は、仏教とニューエイジは親和性があることを証明してくれているのです。




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